2011/10/25

マイナスイオンとは? ~正直に「オゾン」と言えない所にオゾンに対する誤解が現れています

空気清浄機とは、空気中に浮遊する目に見えない細かい粒子やにおい(花粉、ハウスダスト等の粒子、ペットや調理時等のにおいなど)を取り除くものと定義されており(日本電機工業会)、最近はこの「においを取り除く」効果を高めるためにマイナスイオン等、電気、特に放電の力を使って悪臭物質を分解させる機能を付加した製品が多数販売されています。
 マイナスイオン以外にも、何とかイオン、プラズマ何とか等々、色々とありますが、果たしてこれらはどういうものなのでしょうか?一つ言えるのは、いずれの言葉も科学用語ではなく、各メーカーが独自に命名した商品名です。これらの作用メカニズムを科学的に言えば、
「放電のエネルギーにより空気中の分子を活性化し、その分子(又はイオン)がにおい物質と反応して分解する。」
となるのではないかと考えられ、マイナスイオンなど殆どの商品をこの説明に当てはめても間違いではありません。
 しかし、放電で空気中の分子を活性化すると必ずオゾンが発生します。一般的なマイナスイオン生成器のマイナスイオンの生成量が1ccあたり数万から数十万個ですが、オゾンはそれより遙かに大量に生成されています。だとすると、マイナスイオンの効果とは同時に生成されるオゾンの効果ではないか、というのが一部の学識者の見解です。

 確かにマイナスイオンなどを搭載した空気清浄機には、
「微量のオゾンを発生しています。」
と書かれたものが多くありますので、実はオゾンの効果だと指摘されても、それを否定してマイナスイオンが効果の源であると断言するのは難しいように思います。

 では何故、多くのメーカーが正直にオゾンの効果であると言わないかという理由に、オゾンに対する誤解があると考えています。オゾンというとすぐに「危険だ」となってしまうため、正直にオゾンとは言いにくいのです。確かにオゾンは濃度が高くなると人間にも影響を与えます。しかし低濃度で使えば問題はなく、外気には一定のオゾンが存在していて、人間はそれを吸い続けている訳ですから健康被害を心配する必要はありません。ただ、その昔にはオゾンの発生量が過度に多い、また粗悪な物の中にはどのくらいのオゾンが発生しているかメーカーが正確に検査していないオゾン発生器までありました。それら商品やメーカーが、消費者のオゾンに対する過剰な心配を生んだ可能性もあり、業界の責任とも言えます。
 心配なのは、オゾンがマイナスイオンなどと言い換えられることで、余計にオゾンの評価が下がり続けることです。消費者から正当な評価を得るためには、正しいオゾンの知識を広めること、そして今以上に安全性を高めた商品開発がメーカー、そして業界に求められています。

2011/10/12

放電以外のオゾン生成方式 ~他にもありますが、あらゆる面でバランスが良いのは放電方式です

 放電によるオゾンの生成では、酸素分子に電子を衝突させることで酸素分子をバラバラにする(これを「解離」と言います)と書きましたが、電子の替わりに光によっても酸素分子を解離させることもできます。この光とは波長185ナノメートルの紫外線です。紫外線とは可視光線よりも波長の短い光で太陽光の中にも含まれています。この太陽の紫外線によって生成されるのが自然界のオゾンであり、地球の表面を覆うオゾン層です。
 紫外線を使ったオゾン発生器は、オゾン生成に必要な紫外線を多くするように工夫された紫外線ランプを使っています。紫外線ランプは殺菌灯やエレクトロニクス分野の光化学反応などに多く利用されている技術なので、比較的簡単に作ることができます。
 しかし、紫外線方式のオゾン発生器は放電方式と比べて、単位発生量あたりの電力効率が悪く、同じオゾン発生量だと10倍以上の電力を消費するものもあります。また、オゾン発生量を多くしようとするとランプが大きくなるため、装置も大きくなります。さらに、紫外線は目に有害であるため、紫外線ランプの光を目で直視しないような構造も必要です。このようなことから、効率が高く、装置もコンパクトな放電方式のオゾン発生器が今は多くなってきています。

 もう一つオゾンを生成する方式に水の電気分解があります。この方式は比較的新しい技術で、水の電気分解によってオゾンガスを生成するものと、オゾン水を直接生成するものがあります。水の電気分解と言えば、水に少量の水酸化ナトリウムを溶かし(純粋な水は電流を通さないため)電流を流すと陰極(-側)に水素、陽極(+側)に酸素が発生する実験を思い出されると思います。オゾン発生においては、水酸化ナトリウムの替わりにイオン交換膜を使い、このイオン交換膜を電極でサンドイッチして電流を流すと陽極(+側)に酸素とオゾンが発生します。この方式は放電や紫外線と比べて非常に高濃度のオゾンを生成することが可能なのですが、
 ・水は純粋を使った方がいいこと
 ・イオン交換膜、電極材料の性能に左右されること
などがネックとなり、オゾン水を生成するもの以外、余り実用品は開発されていません。

 放電方式は全てにおいて優れているという訳ではありませんが、効率や装置の大きさ、使い勝手など最もバランスが取れているのが、放電方式と言えます。