2011/12/19

インフルエンザ対策 ~オゾン以外にも色々とありますが、大流行に備え注意すべき点をお話します

 2009年の新型インフルエンザ流行の際には、感染予防に効果があるとされる様々なものが飛ぶように売れました。マスク、うがい薬、そして消毒薬が店頭から消え、空気清浄機は前年比で2倍近い売上を記録しました。
オゾンもその一つで、インフルエンザの感染予防に効果があります。保育園や老人ホームなど抵抗力の弱い人達がいる施設ではオゾンを使っている部屋と、そうでない部屋ではインフルエンザの感染率が大きく異なるという話しを先に紹介しました。特にオゾンは人が部屋にいる状態で使用しても効果がある数少ない手段であり、インフルエンザのみならず、2002年から翌年にかけて東南アジアを中心に流行したSARSの予防でも効果を発揮しています。 
さて、オゾン以外にもインフルエンザ予防に効果があるとされるものはいくつかありますが、そのいずれも一度買えばずっと使えるものではありません。マスクや薬は定期的に新しいものが必要ですし、空気清浄はフィルターやイオン発生ユニットなどを交換しないと効果がなくなります。もし、パンデミックのような大流行が発生すれば、そのようなものはたちまち売り切れ、メーカーも生産が追いつかなくなることが予想されます。(メーカーもいつ起こるかわからないパンデミックに備えて大量に在庫をすることはしないでしょう。)
 オゾン機器でも定期的な部品交換が必要なものがありますが、最近の製品の一部には部品交換無しで5年以上使えるものもあります。いつ起こるかわからないパンデミックから自分や家族の身を守るため、マスクなどの消耗品を今から備蓄しておくことも一つの方法ですが、購入すればそのまま長期間使い続けることができるものを選ぶ方が経済的にも有効な対策と言えます。

2011/12/07

オゾンでインフルエンザを予防できるか? ~手軽で効果も高いのは間違いありません

 オゾンは食中毒菌を始め様々な微生物を殺菌することができると書いて来ましたが、果たしてインフルエンザウイルスはどうでしょう。もちろん、オゾンでインフルエンザウイルスを殺すことは可能です。
 インフルエンザの表面にはヘムアグルニチン(HA)とノイラミダーゼ(NA)という二種類の糖タンパクがスパイク状に並んでいます。その中心に遺伝子である、RNA(リボ核酸)が存在しています。
 オゾンはこれら二種類の糖タンパクと反応したり、ウイルス内部に入り込んでリボ核酸と反応することで、ウイルスを殺すことができます。さらにほんの数カ所を破壊するだけでよいため、極めて短時間でウイルスを死滅させることができます。そのため、インフルエンザ以外のウイルスや、薬剤耐性のウイルスでも容易に殺すことができるとされています。
 
 現に、保育園や老人ホームなど抵抗力の弱い人達がいる施設ではオゾンを使っている部屋と、そうでない部屋ではインフルエンザの発症率が大きく異なるという統計データも得られています。
 しかし、このようにオゾンはインフルエンザに対して効果が高いのに、何故それを知らない人も多く、余り有名ではないのでしょうか。そこには、ウイルスに対する検証の難しさがあります。食中毒菌などの細菌であれば、オゾンの殺菌効果試験ができる検査機関は比較的多くあるのに対して、ウイルス、特にインフルエンザのような伝染病ウイルスを扱える検査機関は国内には数カ所しかありません。また、宿主となる細胞の中でしか生きられないため、直接オゾンと接触させられないウイルスもあります。
 あるマイナスイオンのメーカーに「一定容積(100L程度)のボックス内をイオンで満たし、そこにウイルス液を噴霧し、一定時間後にウイルスを回収して殺菌効果を確認した所、○%死滅した」という実験結果を唱ったものがありますが、ウイルスが時間と共に減少したり、ボックス内のウイルスを全て回収できないと言ったことから、イオンの無い状態と比べても結果が変わらないというデータもあり、正しく効果を検証できる実験方法ではないと言えます。(決して、イオンに効果が無い訳でなく、実験のやり方が正しくないとい意味です)
 検証が難しさからデータが少なく、そのためにオゾンのインフルエンザに対する効果は余り知られていません。しかし、オゾンは低濃度でも十分にインフルエンザを殺すことができるため、人が居ても利用できる数少ないインフルエンザ予防法の一つであり、子供やお年寄りを守るためにもっと利用されるべきものです。そのためにも、ウイルス、特にインフルエンザを使った実験が容易にできる方法が確立されることを願います。

2011/11/25

新型インフルエンザの脅威 ~パンデミックは起こるのか?

「パンデミックは起きるかどうかが問題ではありません。パンデミックは必ず起きます。問題はいつ起きるかです。」
 この言葉はWHOをはじめ多くの専門家が語る言葉で、それを否定する人は誰もいません。特に脅威とされているのがH5N1型の鳥インフルエンザです。H5N1がなぜ恐れられるかというと、H5N1は不安定なウイルスで突然変異を起こしやすく、鳥よりもヒトに感染しやすいウイルスが誕生する恐れがあるためです。またH5N1は1997年に香港でニワトリから人への感染が確認されてからおよそ10年間、世界中で200人以上が死亡しています。その致死率は60%を超え、スペインかぜなど20世紀にパンデミックを起こしたウイルスが「弱毒性」だったのに対して、このH5N1は「強毒性」と言われます。もし、H5N1によるパンデミックが起これば、世界中で1億5千万人が死亡する恐れがあると国連は警告を発表しています。

 では、このH5N1がパンデミックを必ず起こすかというと意見が分かれます。H5N1というウイルスは、もともと効率よくヒトに感染するような変異を起こさない。もしそのような変異を起こすならもっと早く起こしているはずだ、という専門家もいます。しかしだからと言ってパンデミックの心配がない訳ではありません。それは歴史が証明しています。1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜ、そして2009年の新型インフルエンザによりパンデミックが起こりました。もしかすると、H5N1以外の型で強い毒性を持ったウイルスが新たに発生するかも知れません。 
 歴史的に見れば人類は常に新しいウイルス発生の脅威にさらされ続けており、それを完全に止めることは今の所はできないようです。