2011/03/22

オゾンの安全性 ~オゾンよりも安全に使える物質ってどのくらいありますか?

 「オゾンには害がある」そう聞いたことがある方も多いと思います。確かにオゾンは人畜無害というものでありません。しかし、殺菌効果をもたらすあらゆる薬剤においても、微生物を殺す作用がある以上、人間には全く無害なという物質が存在する訳がありません。要は、

●人間が受けるダメージの大きさ

●使用において事故が起こり得る可能性の高さ

 この二つでその物質の安全性は評価されるべきであり、定性的に人間にダメージを与えるから危険だとするなら、あらゆるものは危険で使用すべきでないことになります。
 オゾンの場合、0.1ppmを超えると鼻や喉に刺激を感じ始め、0.5ppmで明らかな刺激、さらに50ppmで1時間以上暴露されると生命の危機とされています。生物を死に至らしめる可能性まであると聞くと相当危険かと思われるかも知れませんが、一般に販売されているオゾン発生装置については例え業務用で出力の大きなものがオゾン漏れを起こしても、室内濃度が50ppm以上になることは殆どありません。そもそも、オゾンには特有の臭いがあるため、0.1ppmを超えるようなオゾンに触れると人間は即時に危険を察知してそこから退避することができ、長時間に渡ってオゾンを吸い続ける危険性は極めて低いと言えます。

 一方、オゾンと似た効果のある塩素系漂白剤は、強い酸化力と殺菌力があるため、食器やまな板の殺菌、カビ取り等の用途に家庭でも広く使用されています。塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムという化学物質が主成分となっており、酸性液と容易に反応して、有毒な塩素ガスや二酸化塩素ガスを発生する危険性があります。この塩素系漂白剤と酸性洗浄剤を混ぜたことにより、塩素ガスが発生して1987年に徳島県で、1989年には長野県で死亡事故が発生、それ以降も10人以上が中毒症状を起こし、数人が亡くなっています。また、塩素ガスの発生だけではありませんが、東京消防庁発表によると都内だけで2008年の一年間で洗剤によって中毒になり救急搬送された事故が全部で24件も発生しています。
  一方、オゾンによって起こった事故というと1998年に徳島県のアワビ養殖場で作業者が救急搬送され数日間入院するという事故が発生しましたが、これは作業者がオゾン発生を確認するため、オゾン導入管からガスを直接吸い込んだために起こったもので、業務用の大型機器でかつ不適切な使用があったと言わざるを得ないものです。それ以外に、確認できる事故は無く、100年以上に渡ってオゾンは利用されていますが全世界的にオゾンによる死亡事故は一件も発生していません。
 ダメージの大きさと事故の発生確率で比較すると、広く使用されている物質で、オゾンより危険なものは数えきれないほどあると言えます。

2011/03/15

オゾンは活性酸素か? ~オゾンによって老化が速まることはありません

 老化の原因と言われる活性酸素ですが、そもそも活性酸素とは酸素が化学的に活性になった状態のことで、強い酸化力を持った物質です。生化学分野においてはこの活性酸素が老化の原因物質とされていますが、生化学でいう活性酸素とは、体内で代謝エネルギーとして利用された酸素の中間生成物を指します。どういうことかと言うと、呼吸によって肺から取り込まれた酸素は血液で全身の細胞に運ばれ、そこで糖質をエネルギーに変える働きをするのですが、この時酸素は活性酸素に変化して糖と反応し、そして水に変わります。しかし、全ての酸素が水に変わる訳ではなく、一部の活性酸素は余剰となってしまいます。もちろん、人間の体には余剰な活性酸素を処理するスカベンジャーシステムという、酸化を防止する機能が備わっています。しかし、年とともにその機能も衰えて処理できなくなり、活性酸素は細胞を攻撃して老化の原因となってしまいます。

 広義に言えば、オゾンも活性酸素ですが、これは物理化学的な意義であり、そもそもオゾンは吸引しても皮膚や内蔵の表皮に接触すると直ちに分解し、細胞内に侵入することはできません。つまり、オゾンが生化学でいう活性酸素、つまり老化の原因となることはないのです。

 ちなみに、体内で発生した活性酸素を処理できる栄養素して、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、グルタチオンや、亜鉛、セレンなどのミネラル、ポリフェノールなどのファイトケミカルなどがあります。サプリメントなどで摂取することもできますが、こうした栄養素や成分を複合的に含んでいる野菜や果物などを幅広く食べる方が吸収もよく、効果的と言う意見もあります。

2011/03/10

オゾンの姿 ~オゾンの化学的な話し、ですが難しい話ではありません

オゾンは特有の生臭いにおいのする物質です。そもそもオゾン=ozoneの語源もギリシャ語の「ozein」、「におう」「かぐこと」を意味する言葉です。最近は無くなりましたが、一昔前はコピー機からオゾンが発生していましたので、感じた方もあるのではないでしょうか。

 オゾンは、化学記号でO3、つまり酸素原子三個が結合してできた物質で、これを酸素(O2)の同素体といます。私達が呼吸している酸素分子と似た物質でありながら、その性質は全く異なります。その違いを生んでいるのが分子の結合エネルギー(原子同士がどのくらいの力でくっついているか)の大きさで、酸素分子に比べ、オゾンは結合エネルギーが格段に小さな物質です。結合エネルギーが小さいということは、オゾンを構成する酸素原子が簡単に離れて何かと反応してしまいます。つまり、容易に分解しやすく寿命が短い、そして反応性に富んでいるのがオゾンです。この反応力というのは酸化反応のことで、高温で激しく起こる酸化反応を「燃焼」といいますが、オゾンの反応は常温でゆっくりと起こります。

 反応性が高いから菌、ウイルスを不活性化させる殺菌力、悪臭物質を分解する消臭力が非常に高く、同時に短時間で分解して酸素に戻ることが「残留性が無い」ということに繋がっています。
 さらに言うと、残留性が無いことはオゾンの最大の特徴の一つです。オゾンは過剰にあったとして酸素分子になってしまいます。過剰分が全く無害の分子になるという性質は、オゾン以外の分子には無い性質です。