「オゾンには害がある」そう聞いたことがある方も多いと思います。確かにオゾンは人畜無害というものでありません。しかし、殺菌効果をもたらすあらゆる薬剤においても、微生物を殺す作用がある以上、人間には全く無害なという物質が存在する訳がありません。要は、
●人間が受けるダメージの大きさ
●使用において事故が起こり得る可能性の高さ
この二つでその物質の安全性は評価されるべきであり、定性的に人間にダメージを与えるから危険だとするなら、あらゆるものは危険で使用すべきでないことになります。
オゾンの場合、0.1ppmを超えると鼻や喉に刺激を感じ始め、0.5ppmで明らかな刺激、さらに50ppmで1時間以上暴露されると生命の危機とされています。生物を死に至らしめる可能性まであると聞くと相当危険かと思われるかも知れませんが、一般に販売されているオゾン発生装置については例え業務用で出力の大きなものがオゾン漏れを起こしても、室内濃度が50ppm以上になることは殆どありません。そもそも、オゾンには特有の臭いがあるため、0.1ppmを超えるようなオゾンに触れると人間は即時に危険を察知してそこから退避することができ、長時間に渡ってオゾンを吸い続ける危険性は極めて低いと言えます。
一方、オゾンと似た効果のある塩素系漂白剤は、強い酸化力と殺菌力があるため、食器やまな板の殺菌、カビ取り等の用途に家庭でも広く使用されています。塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムという化学物質が主成分となっており、酸性液と容易に反応して、有毒な塩素ガスや二酸化塩素ガスを発生する危険性があります。この塩素系漂白剤と酸性洗浄剤を混ぜたことにより、塩素ガスが発生して1987年に徳島県で、1989年には長野県で死亡事故が発生、それ以降も10人以上が中毒症状を起こし、数人が亡くなっています。また、塩素ガスの発生だけではありませんが、東京消防庁発表によると都内だけで2008年の一年間で洗剤によって中毒になり救急搬送された事故が全部で24件も発生しています。
一方、オゾンによって起こった事故というと1998年に徳島県のアワビ養殖場で作業者が救急搬送され数日間入院するという事故が発生しましたが、これは作業者がオゾン発生を確認するため、オゾン導入管からガスを直接吸い込んだために起こったもので、業務用の大型機器でかつ不適切な使用があったと言わざるを得ないものです。それ以外に、確認できる事故は無く、100年以上に渡ってオゾンは利用されていますが全世界的にオゾンによる死亡事故は一件も発生していません。
ダメージの大きさと事故の発生確率で比較すると、広く使用されている物質で、オゾンより危険なものは数えきれないほどあると言えます。