院内感染は米国などの定義によれば「入院後2日目以降に本来の疾患とは別に起きた感染」を言います。この他に、血液に汚染した注射針を誤った刺したことによる感染、病院給食による食中毒も院内感染とされています。近年、院内感染が話題になることが多く、増加しているように思えるかも知れませんが、実際には院内での消毒が不十分であった数十年以上昔の方がずっと多かったとも言われます。ではなぜ、院内感染が近年話題になるかと言うと、次々に新しい耐性菌が出現することが理由の一つではないかと考えられます。医学の進歩に伴い、新しい抗生物質、消毒薬などの開発で感染症の多くが克服されていますが、院内感染の頻度は期待したほど減少していません。
耐性菌は抗生物質を不適切に用いすぎたことで出現していると言われますが、では抗生物質の不適切な使用を控え、耐性菌の出現を抑えれば院内感染が減るのかというとそうとも言えません。耐性菌の一つであるMRSAは医療従事者の手を介した「接触感染」によって日本で広まったとされており、院内の消毒が不十分であったことを問題視する声もあります。
入院生活をされた方は理解できると思いますが、入院すると生活水準がいきなり昭和20年代に戻ります。相部屋で周りに気を遣いながら生活し、何よりこれまで毎日風呂に入っていた人が何日も入れなくなります。MRSAは垢だらけの湿った皮膚で繁殖しますので、院内はMRSAが大好きな環境が沢山存在します。また、病院内を清掃する清掃業者の多くは床やトイレを掃除した時と、同じビニール手袋をしたままドアの取っ手や手すりに触れます。これでは感染の原因となる菌が院内のどこにあっても不思議ではありません。
さて、そんな院内の消毒のレベルアップにもオゾンは多くの病院や福祉施設で利用されています。オゾンをガスで病室やトイレに発生させておけば、清拭など作業をせずとも、取っ手や手すりに付着した菌を除菌することも可能です。
「入院したら自分の身は自分で守る」くらいの気構えで、入院中身の回りの消毒は自分で行い、医師や看護婦には目の前で手指の消毒をしてもらった方がいいという意見もあるようですが、病院でのオゾン利用がひろまればそんな努力をする必要も減ってくるのではないでしょうか。