2011/05/29

清潔志向は弊害をもたらすか? ~最近の子供は清潔過ぎて抵抗力が弱まっているって本当?

 最近、日本人は清潔志向が高すぎ、菌に曝される機会が少なくなって感染抵抗力が低下したと言われることがありますが、果たしてこれは本当なのでしょうか。確かに昔と違い、泥にまみれることは少なくなり、外出後は手を洗い、毎日風呂に入ります。さぞ、現代の日本人は菌に曝される機会が少ないように思えますがそんなことはありません。
 日本人は食生活では生のサラダや刺身を好んで食べます。スーパーで売られているサラダや刺身にどのくらいの菌がいるか調べてみると無数の菌が検出されます。大半は病原性の無い菌ですが、一部には緑膿菌や腸炎ビブリオなど感染症や下痢を起こす菌も検出されます。現代の日本人はほぼ毎日、生の物を口にしていますが、昔は殆ど生の物を食べることはありませんでした。特に50年以上前までさかのぼると、野菜は煮たり、焼いたりして食べるものであり野菜サラダなどは一般にはありませんでしたし、刺身も海に近い一部の人達を除けば滅多に食べることもありませんでした。その時代、お風呂がない家庭も多かったので、今の方が清潔な環境であることは間違いありませんが、なんのことはない、食生活の変化もあり昔と同じように、あるいは昔以上に菌に曝されています。
 抵抗力を高めるためには菌に曝されて生活した方がよいという理由から、抗菌、除菌グッズを否定する意見がありますが、現代でも菌に曝されて生活している訳ですから、抗菌、除菌グッズが日本人の抵抗力を低下させているという事実は全く無く、これらを否定するのは全くナンセンスと言えます。例え、沢山の菌に曝されながら生活していても、病原性の高い菌が一定量以上体に入れば感染症を起こします。また、小さい子供やお年寄り、病人などはそもそも抵抗力が低く特に注意が必要です。こう言った抵抗力が低い人達を守るためにも、清潔な環境作りに役立つ製品は世の中にとって必要なものであることは間違いなく、これからもより進歩していくことが望まれます。

2011/05/16

危険な腸管出血性大腸菌 ~多くの大腸菌は哺乳動物が生きるために必要な菌です

北陸や神奈川県内で店舗展開する焼肉チェーンで腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒が発生し、数名が亡くなられてしまいました。同店舗チェーンで提供した生肉が原因とされています。

腸管出血性大腸菌というと1996年から1997年にかけて全国で流行し13名もの死者を出したO-157、そして今回の主な原因とされるO-111とも、ベロ毒素を産生し子供や老人が感染した場合は、重篤になりやすい食中毒の原因菌です。牛などの哺乳動物は大腸内に大腸菌を保有しており、ブドウ糖や乳糖、ときにはショ糖を分解して酸とガスを作り出します。ビタミンの生産にも関わっていると言われます。大多数の大腸菌は害を及ぼすことはないのですが、人間の体に致命的なダメージを与える病原性の大腸菌も少数ながら存在しています。
 今回の事故をきっかけに多くの焼肉店が生肉の提供を見合わせています。なぜ生肉は危ないかと言うと一つは熱を通していないためです。ではステーキなどレアで食べるのも食中毒の危険を高めるかというとそうとは言えません。前述の通り、大腸菌は牛などの大腸に存在している菌で、それ以外の部位の肉に存在している訳ではありません。食肉が大腸菌に汚染されるのは加工段階において大腸内の菌が広まったためで、調理器具や人の手を介して汚染されるとされています。そのため、大腸菌が付着していたとしてもそれは肉の表面であり、表面に火を通すことで多少の菌は死滅してしまいます。
 しかし、注意が必要なのはハンバーグなどの原料となるミンチ肉です。加工段階で大腸菌が付着しているとミンチされる際にその菌が広まり、ミンチ肉全体が汚染されることになります。同様に圧縮肉などの加工肉については内部までしっかり熱を通す必要があります。
 人に感染すると重篤な打撃を与える腸管出血性大腸菌ですが、熱に弱く75℃、1分以上で死滅します。また、オゾンでも容易に殺菌することが可能です。食肉の汚染は、主に加工段階における調理器具や人の手によるものですので、それらを細目に殺菌し菌を広めないことが食中毒防止には重要です。

2011/05/06

プールでもオゾン ~プールだけでなく、浴場でも利用されています

 オリンピックを始めとした競泳のテレビ中継では、最近水中カメラで選手が泳ぐ模様を写した映像が流れます。その映像を見ると選手の様子も鮮明で、非常に水の透明度が高いのが解りますが、それもオゾンによってもたらされていることをご存じでしょうか。プール水の浄化にもオゾンが利用されています。

 以前のプールの浄化装置は濾過装置と塩素注入器構成され、プールの水を循環させて浄化します。塩素は水の殺菌のために注入されますが、汚染の割合に合わせて適当な塩素量を調整することが難しく、塩素と水中の有機物が反応して発がん性のトリハロメタンを生成する恐れもあります。 

 プールの水質基準は厚生労働省(以前は厚生省)が定めていますが、昔の基準はドイツなどに比べると非常に緩いものでした。平成19年に現在の基準が定められ、塩素濃度も1.0mg/l以下が望ましいとなりましたが、この1.0mg/lもドイツの基準0.6mg/lに比べると非常に多く様々な弊害を起こす恐れがあります。目や喉に刺激を与える、アトピーなどアレルギー体質の人には皮膚への刺激が強すぎたり、皮膚がんを起こすと言う学者もいます。また、屋内プールでは塩素によって建物の鉄骨が腐食し強度が低下してしまうという問題もあり、実際に塩素による建物の腐食が原因で閉館に追い込まれた屋内プールもあります。 
 このようなことから、プール水の浄化を塩素だけで行うのは不十分で、より透明度が高く、安全で清潔、そして快適なプールにするための技術が求められるのは当然と言え、最近では殆どのプールがオゾン処理を行っています。オゾンなら大腸菌を始めとした細菌類を殺菌でき、水の透明度も上がります。塩素の使用量も必要最低限で済み、塩素臭や刺激も大幅に軽減されます。
 また、プールと同様、水を循環して浄化する浴場でもオゾン処理が利用されており、浴湯で問題になるレジオネラ菌の殺菌に効果を発揮しています。 

 プールでも浴場でも、オゾンがより快適な環境をもたらし、皆さんの健康にも貢献しています。