2012/03/16

ノロウイルス感染 ~胃をひっくり返すような嘔吐が突然起きるのが特徴です

 ノロウイルスは口に入った後、12~72時間で発症します。つまり、潜伏期間は半日から3日です。O-157などの腸管出血性大腸菌の潜伏期間が4~7日くらいといわれますので、ノロウイルスの場合は比較的、口に入ると早く発症します。症状は小腸に炎症を起こすことから腹痛や下痢、そして胃の運動神経の麻痺による嘔吐です。特にノロウイルスの場合は胃をひっくり返すような嘔吐が突然、強烈に起きるのが特徴です。一般的に嘔吐は子供や高齢者、下痢は成人と高齢者で起こりやすいとされています。乳幼児、高齢者などの抵抗力が弱い人が感染すると脱水症状になりやすいので、水分補給はしっかり行う必要があります。
 
 では、ノロウイルスはどのような経路で感染が拡がるのでしょうか。最も経路として多いと考えられるのが、人の手を介した感染です。このブログでも「汚れの運び屋はヒト」であることをお話ししましたが、吐物を処理した後、或いは下痢症患者がトイレに行った後は大量のウイルスが手指に付着している可能性があります。吐物を処理した後やトイレの後の手洗いはもちろん、直接ノロウイルス患者と接触をしていない人も、ノロウイルス感染が増える時期に、人が集まる場所でトイレなどのドアノブ、蛇口などを触った後はしっかり手洗いをしましょう。また、食品製造者や取扱者は特に注意が必要です。食品を触る時には手洗いをしっかりし、使い捨ての手袋を使いましょう。
 一方、カキなどの2枚貝はノロウイルスを持っていますが、内部を85℃、1分以上加熱すればウイルスは死滅しますので、注意して調理すれば十分感染を防ぐことが可能です。ノロウイルスは乾燥や酸にも強いので調理後の食品にウイルスが付着すると、それが人の口に入るまで生き続けます。ノロウイルスの場合は、調理方法よりもむしろ、調理後の食品の取扱に注意が必要です。

 前号で「ノロウイルスは文明社会に適応したウイルス」と言いました。現代人は、普段の生活の中で沢山の人と接触したり、同じ場所で大量に調理された食品を食べる機会が多いため、それだけノロウイルス感染が拡大し易い環境で生活しています。文明社会はウイルス感染が拡大しやすい環境であることから、「ノロウイルスは文明社会に適応したウイルス」と言われます。