2012/04/12

ノロウイルスの抵抗性 ~アルコールスプレーではノロウイルスを殺すことはできません

 ノロウイルスは物理化学的抵抗性が非常に強く、そのため感染症や食中毒が広まりやすくなっています。
 まず、ノロウイルスは酸に強く、pH3の溶液に3時間漬けても殺すことはできません。人の胃は空の状態ではpH2ですが、食事をすると胃酸が薄まりpH3以上になるため、胃液ではノロウイルスを殺せません。また、手指消毒などにスプレーなどでよく使われるアルコール。70%のアルコールにも強く、噴霧したり拭く程度では効果が少なく、最低でも5分間以上は湿らす必要があるので、スプレーを手に噴霧するくらいでは、手に付いたノロウイルスは殺せません。さらに、塩素にも強く3~6ppmの濃度では効果がありません。

 では、オゾンの場合はどうでしょう。ノロウイルスや、類似のネコカリシウイルスを使った実験では、1ppmのオゾン水によって水中のノロウイルスを短時間で殺すことができます。また、オゾンガスについても、0.1ppmという低濃度で12時間あればノロウイルスの失活が可能です。ちなみに、院内感染の原因にもなるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)だと0.1ppmのオゾンガス4~5時間で殺すことができます。ノロウイルスはその2~3倍の時間がかかることになりますが、オゾンガス濃度を上げればその分時間は短くても同じ効果を得ることができます。オゾン水、オゾンガスのいずれにしても低濃度のオゾンで十分に効果があるため、業務用のオゾン発生装置で手軽にノロウイルスの対策が可能です。

 前号で、ドアノブ、蛇口がノロウイルス感染拡大の原因になると書きましたが、人がよく手を触れるだけでなく、ノロウイルスに抵抗性が高いために、簡単な拭き掃除やアルコールスプレー程度はウイルスが残ってしまうことが、その要因と言えます。