オゾンは食中毒菌を始め様々な微生物を殺菌することができると書いて来ましたが、果たしてインフルエンザウイルスはどうでしょう。もちろん、オゾンでインフルエンザウイルスを殺すことは可能です。
オゾンはこれら二種類の糖タンパクと反応したり、ウイルス内部に入り込んでリボ核酸と反応することで、ウイルスを殺すことができます。さらにほんの数カ所を破壊するだけでよいため、極めて短時間でウイルスを死滅させることができます。そのため、インフルエンザ以外のウイルスや、薬剤耐性のウイルスでも容易に殺すことができるとされています。
現に、保育園や老人ホームなど抵抗力の弱い人達がいる施設ではオゾンを使っている部屋と、そうでない部屋ではインフルエンザの発症率が大きく異なるという統計データも得られています。
しかし、このようにオゾンはインフルエンザに対して効果が高いのに、何故それを知らない人も多く、余り有名ではないのでしょうか。そこには、ウイルスに対する検証の難しさがあります。食中毒菌などの細菌であれば、オゾンの殺菌効果試験ができる検査機関は比較的多くあるのに対して、ウイルス、特にインフルエンザのような伝染病ウイルスを扱える検査機関は国内には数カ所しかありません。また、宿主となる細胞の中でしか生きられないため、直接オゾンと接触させられないウイルスもあります。
あるマイナスイオンのメーカーに「一定容積(100L程度)のボックス内をイオンで満たし、そこにウイルス液を噴霧し、一定時間後にウイルスを回収して殺菌効果を確認した所、○%死滅した」という実験結果を唱ったものがありますが、ウイルスが時間と共に減少したり、ボックス内のウイルスを全て回収できないと言ったことから、イオンの無い状態と比べても結果が変わらないというデータもあり、正しく効果を検証できる実験方法ではないと言えます。(決して、イオンに効果が無い訳でなく、実験のやり方が正しくないとい意味です)
検証が難しさからデータが少なく、そのためにオゾンのインフルエンザに対する効果は余り知られていません。しかし、オゾンは低濃度でも十分にインフルエンザを殺すことができるため、人が居ても利用できる数少ないインフルエンザ予防法の一つであり、子供やお年寄りを守るためにもっと利用されるべきものです。そのためにも、ウイルス、特にインフルエンザを使った実験が容易にできる方法が確立されることを願います。
