食に関わる商売において一度、食中毒を起こせば大きな損害に繋がる昨今、「食品衛生」の大切さが唱われます。所で、「食品衛生」とはどういうことなのでしょうか?WHO(世界保健機関)の定義では、
「食品の生育、生産、製造を経て、最終消費に至るまでの全過程にわたってその安全性、健全性、衛生生を保証するためのすべての手段」
とされていますが、もう少しかみ砕いて言えば、「衛生」=「生を衛る」というものですから、
「食品の品質と安全を確保する」
という意味になろうかと思います。
先日の焼き肉店での食中毒でも生食用食肉の基準や加工マニュアルが話題になりましたが、食品衛生において最大の課題は微生物制御、つまり食中毒原因菌を如何に抑えるかです。もちろん、食品加工の現場では色々な面で注意を払っています。例えば髪の毛や包装資材の破片などが誤って入る、「異物混入」も重要な課題です。しかし、異物混入では一度に何百人、何千人というの多数の被害者が出る事故になることはあり得ませんが、食中毒の場合はその可能性があり、損害のリスクが全く異なります。さらにやっかいなのが、食品にはもともと微生物が混在しており、時間の経過で腐敗を起こしてしまうことです。つまり、如何に微生物を制御しようとしても食品を無菌化することは不可能と言えます。
では、微生物制御とは何をすべきかというと、
「人間の健康に危害が発生しない範囲内で、微生物の存在や増殖を制御する。」
ということになります。
安全な食品を製造するには、人の作業に関わるソフト面と製造する設備や環境というハード面の両面が必要です。食品にはもともと微生物が混在していると言っても、食中毒に繋がる汚染の30%は製造段階において設備や人を介して起こるとされています。加熱や低温保管などは食品に付着した微生物の繁殖を抑えるために重要ですが、他から汚染させる危険性を抑えるため、設備や環境を清潔に保つことも、同じくらい大切です。
前回のブログで身の回りの環境がどのくらい汚れているか紹介しましたが、それを当たり前のことに考え目を逸らす訳には行かないのです。