2012/05/21

高齢者福祉施設でのノロウイルス感染の特徴 ~感染が発生すると、直ちに施設全体が汚染されてしまいます

 高齢者福祉施設の入所者は抵抗力が弱いため発症しやすく、また重症化しやすい傾向にあります。これらの施設ではウイルスの進入経路は限定され、施設の外から持ち込まれたことが感染の原因です。そのため、高齢者福祉施設では施設内にウイルスを持ち込ませないことに重点を置いて対策する必要があります。施設の入口に手洗い場を設置し、専用のスリッパに履き替えてもらうことが大切です。ちなみに、高齢者施設に限らず、入口にアルコールスプレーを置いてある施設が多数ありますが、ノロウイルスに対してはアルコールでは効果がありません。
また、トイレ、トイレの蓋、ドアノブ、手すりなど多くの人が触れるものはこまめに消毒することが大切です。ノロウイルスの集団発生後に施設内の拭き取り検査を行った所、トイレの便座、手すり、ドアノブで100~1万個のウイルスが検出されました。一般の細菌と異なり、ノロウイルスは乾燥に強いため、付着したウイルスは長期間生き続けます。そのため、一旦施設内で患者が発生すると、すぐに施設全体がノロウイルスで汚染されてしまいます。人の手が触れる場所を直ちに消毒することが感染拡大防止のポイントです。

 さらに、ノロウイルスが厄介なのは空気感染もすることです。糞便、吐物が床等に付着すると、湿度の低い冬場、乾燥してウイルスが空中に漂い出してしまいます。一旦空中に漂うと、ウイルスは微小なので容易に落下せず、また窓を閉めきったままだと3週間程度は感染力を維持するとされています。ノロウイルス感染患者の糞便、吐物の処理が遅れた場合は、空気感染を防ぐため、十分な換気をすると共に、施設内全体を消毒する必要があります。施設内全体の消毒となると相当大掛かりですが、オゾンガスであれば空気の届く所であれば隅々まで殺菌効果がありますので、施設全体の消毒にも利用可能です。