最近、大阪市などが水道水をペットボトルに入れて販売しています。一昔前、都市部の水道といえば「臭くてマズイ」ものだったのが、ペットボトルに入った商品になっているというと意外に思う方もおられると思います。なぜそうなったのでしょう?一つにはかつての「空気と水はタダ」という考え方が変わりお金を出して水を買うことが普通になったことが挙げられますが、大きいのは水道水が美味しくなったことです。そしてその秘密がオゾンなのです。
日本は戦後、進駐してきた米軍の指示で水道水を塩素で殺菌してきました。しかし、都市の発展を共に河川が汚染され塩素の注入量が増え続け、1990年頃には30年前と比較して東京都では7~8倍もの塩素を注入するようになっていました。それが水道水の「塩素臭さ」に繋がります。そして同時に、工場や家庭からの排水で湖沼が富栄養化してアオコが発生、水道水が「カビ臭い」という問題を起こします。
さらに問題となって来たのがトリハロメタンという発がん性物質です。トリハロメタンは水中の有機物と塩素は反応してできる有機塩素化合物です。河川、湖沼が汚染されて有機物が増える、それを殺菌するために塩素の注入量を増やす、するとトリハロメタンができてしまいます。まさに負のスパイラルです。
そこで導入されたのが水道のオゾン処理で、日本では73年に兵庫県尼崎市の神崎浄水場が最初です。日本ではほんの40年程の歴史しかありませんが、ヨーロッパでは100年以上前から浄水場にはオゾンが導入されています。
オゾンはカビ臭の除去、トリハロメタンの元になる有機物の分解、農薬などの除去、さらに水の透明度を上げる効果もあります。日本の場合、水道水には塩素を注入することが法律で義務付けられていますので、塩素を廃止する訳には行きませんが、オゾンを導入したことで塩素注入量も3~4分の1以下に減らすことができ、「塩素臭さ」も大幅に解消されます。
水道水がペットボトルで売られるようになったのも、オゾンのお陰なのです。
ちなみに、最初にオゾン処理を導入しようとした時、市議や近隣の水道事業団から批判を受けることもあったそうです。(変化を好まない、いかにも役所的な考えですが)もし、そのような反対に押されて神崎浄水場へのオゾン導入を取りやめていたら、水道のオゾン処理は大幅に遅れ、「臭くてマズい水」を飲まされ続けていたかも知れません。